おいしさにこだわり新しい農業を追求する“脳業人”

那須よかっぺ村所属 手塚農園 手塚 一清

那須よかっぺ村所属 手塚農園 手塚 一清

1968年栃木県生まれ。地元の農業高校から宇都宮市の農業大学校に進み、卒業後トマトの先進農家で半年間泊まり込みで研修し、以来21年間トマト一筋で経営している。現在は中国からの研修生を受け入れ、トマトの他にきゅうり・枝豆(茶豆)・ブロッコリーなども栽培し、地元スーパー・東京の百貨店・生協等に那須よかっぺ村という出荷組合を組織して有利販売をしている。

現在のあなたの仕事内容を教えてください

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うちの手塚農園としてはトマトの栽培がメインで、その他にキュウリやお米、それと今年から始まった枝豆の栽培を夏場にしています。冬場はトマトに加えて、ブロッコリーを始めてみようと思っていて、手塚農園として品目を増やしてみようかなと、いろいろな野菜を栽培しています。また、地元の4件の農家で組織している「那須よかっぺ村」という出荷組合がありまして、それぞれの農家で役割分担をしているんですが、その中では営業と資材の在庫管理や調達等が私の主な仕事内容ですね。

この仕事に“やりがい”を感じる時はどんな時ですか?

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そうですね。我々は食べものを生産しているので、消費者の方が「おいしい」といってくれることに一番のやりがいを感じますよね。よりおいしいものを作る努力っていうのも試行錯誤しながらやっていますし、おいしいものを作るための”土”作りにも力をいれていますね。あとは、農業って仕事を考えたとき、人間はそもそも口から入れたものからしか栄養が取れないので、そういう“食べもの”を生産する役割ということや、今の環境問題などにも考えを向けて仕事をしていく、やりがいというか責任も出てきたかなって思いますね。

お店(施設)のオススメを教えてください

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まず、先ほどの出荷組合の「那須よかっぺ村」の共通品目は夏場のトマトをメインに作っているのですが、冬場のトマトを作っているのは手塚農園だけなんですね。「那須よかっぺ村」として一年間切らさず出荷をすることが出来るということで、地元のスーパーさんや東京の百貨店さん、生協さんと多くの付き合いをさせてもらっています。また「トマトの一番おいしい時期はいつですか?」と、よく聞かれることがあります。トマトの旬は夏場なんですが、それを温室で栽培することで冬場にも生産できるんですよ。冬場のトマトは花が咲いて、大きくなって、着色する時間が一番長いので、糖度がのって一番おいしいですね。時期でいうと3月4月です。それと今年からチャレンジしている夏の枝豆は茶豆という種類で、香りも強くて、普通の枝豆にはまず負けないですね。おいしいものを作るという上で、”おいしくなる野菜”っていうのがあります。キュウリやナスっていうのは個性が出にくいんですが、果物類やトマト、にんじん、それに枝豆もですが、味に個性が出る品目を多くして、「手塚さんのところで作っているものはおいしい」という感想を消費者の皆さんに感じて欲しいです。

仕事を通して、あなた自身の今後の目標を教えてください

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知人の紹介で、うちに中国から農業研修の方がトマトやキュウリの栽培を学ぶために3ヶ月間来ています。そういうこともあって、輸入の話なども来ていたり、実際に現地に農業指導に来てくれという話も出ています。世界に目を向けるという意味で、ちょっとうちのトマトを輸出してみようかなという目標というか考えはありますね。そのシステムとか法律とか詳しいことはまだわかっていないので現実的にはまだ不透明ですが、なんかかっこいいじゃないですか(笑)品物が有り余っている日本にいるからこそ、品物が少ない国に自分の作った野菜を送ってみたいという気持ちが凄くあります。本当の意味で品物の良さを感じてもらえる環境であり、チャンスだと思いますので。それと、今後この手塚農園を現状のままではなく、ある程度の規模にしていきたいという目標はあります。いずれは商品として、トマトジュースやトマトのアイス、シャーベット、またジャムなどのトマトを使った加工品も作りたいとは思っていますが、加工場所の問題などもあり、まだ現実的には見えない部分ではありますね。あとは地元・那須塩原という場所にみんなが喜んでもらえる温泉施設とかを作れれば良いと思いますね。アミューズメントパークみたいな。ディズニーランドではなく手塚農園なんで「テズニーランド」とかね(笑)。テッキーちゃんとテニーちゃんとかいたりね(笑)。出来れば全天候型で屋根なんてあったらいいですね。冗談っぽく聴こえると思いますが、実際小さい子どもを連れて遊びにいく屋内の遊び場所が少ないですよね。複合施設として温泉があったり遊ぶ場所があったり、そしてその中に、みんなが借りられて共有できる農園があったりして、それをうちとかで指導して、そこでみんなが野菜を実際に作れたりできる・・・。そんな施設があったりしたら最高ですよね。

あなたにとって、那須とはどんな場所ですか?

公開しているこのサイトを事前に見たのですが、この質問は結構考えました。那須を離れたのは、トマトの研修で半年くらい離れただけで、あとはほとんど那須に住んできました。那須のここ東那須に手塚家があって、土地があって農家を継いでいるということから、まずは仕事場所という気持ちが強くあります。特に農家というのは、私生活と仕事が同じになっている場合が多いですよね、二十歳位で就農すると地域との付き合いが多くてだいぶ年齢が上の人と、仕事を通しての付き合いとかもありますし、地域の何かの集まりでも、農家っていうのは個人でやっているので時間があるという認識から、役回りが多くなります。そういった意味では、地域に少しは貢献出来てたのかなとか思いますし、もちろんこれからも貢献していきますが、農家である意味を感じられますね。自分たちが思っている以上に那須っていうのは良いイメージを持たれているという中で、自分が良い地域として成り立たせなくてはならないのかなとも感じています。那須って場所は小さい頃から、下から見る那須岳っていうイメージが強いですし、那須は災害が少なく、自然豊かで良い環境だと思います。そんな土地を先代が農地として開拓してくれて、作り上げてくれたということに感謝をするとともに、今の自分たちが持っている農業技術を使ってしっかり継いでいくことが、那須への貢献となるのではないでしょうか。

NasuWorker 読者(那須に興味を持っている方)へ一言

農業は、今かなりメディアでも取り上げられて「農業ブーム」といわれてるくらい注目されていますよね。ただ、誤解して欲しくないのは農業というものを一時のブームにはして欲しくないということが我々農家にはあります。食料をきちんと、永続的に作っていかないといけませんし、農業が廃れてしまえば食料危機にもつながります。確かに土を触って自然と触れ合いながら仕事をするという“癒し”という部分は農業には凄くありますし、それを多くの方に感じて欲しいと思っています。でもそれだけで、おいしい農産物が作れるということは決して無いということをわかっていただきたいですね。そこには農家の長年の経験や努力があってこそ、きちんとした商品が出来るわけですから。でも、品物が出来たときの喜びを味わいたいという気持ちは凄くわかるんで、楽しんで農業をしていただいて、そこにある苦労や大変さということをわかっていただいた上で、農業をしていただければ嬉しいです。そして何より、「いただきます」が食べ物に対する「ありがとう」という感謝の言葉に変わると思いますよ。そして最後になんですが、本物の野菜を食べることが今後必要と感じています。“食育”ってことにもつながるんですが、小さい頃からおいしい本物の野菜を食べていればおそらく野菜嫌いな子どもはいなくなるんではないでしょうか。本当においしいものっていうのは栄養が多いものなんですよね。しっかりした土と肥料で、気持ちを込めて今後もおいしい野菜を作り続けますので、皆さんにおいしい野菜を食べてもらうことが、野菜農家からの願いです。

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